まだ意味がない

この胸に閉じ込めて欲しい。
毛布でくるんだ秘密を思い出したら、どうか殺して欲しい。

 

液晶画面が、夜の中で、サーチライトみたい。


君は一人じゃないなんて話しだす。
メルヘン。幸せの話。最初の嘘。最後の嘘。
全てが、遠くにありそうで、届かない。

答えが出るまで、正しいことを喋れそうにない。
白痴と、思い込みが一番恥ずかしい。
幸せだとか、光だとか、そういうもの全てに鍵をかけた。
鳴り止まない心臓。

軽薄な君の軽薄な言葉が、一番憂鬱になる。
「欲しい」ものなんて何もないのに、どうして笑っていられないんだろう。

 

土砂降り。

遠鳴り。

固いベッド。

 

例えサナトリウムの中でも、生活できるのなら羨ましい。

 

もうきっと、言葉の中で擦り減ってしまったから、信号なんて意味がない、感情が揺れて、自分を庇う。
そうやって、窮屈に生きても仕方がないでしょう。

 

愛情。
好意的な呪い。
疲れ果てて、最初から無かった価値も失くしていく。

 

モニター越しの温もり。

 

信じて「欲しい」のに信じたくないもの。
許して「欲しい」のに許せない自分。

 

ようやく、風が死んだ。
結局ここは冷たいままだった。
いつものように、今日も死んで、緩衝材と一緒に埋められた。
机の上に忘れたグラスに、誰かの寂しさは残っているのかはわからない。


それでも、明日起きたらきっと洗わなきゃ。


感覚をなくす手。
いつまでも自分の手。